迷蔵

作者 石濱ウミ

14

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★★★ Excellent!!!

熊谷ユキは、この世界が怖くてたまらない。
明日の天気も、ドアの防犯レンズも、雨上がりの空と無邪気な歓声をあげる子どもを映す水たまりも、何もかも。
しかしユキは決して心を病んでいるわけではない。
彼女の異様な恐怖には、それだけの理由がある。

昔懐かしい探偵事務所を彷彿とさせる雰囲気のNPO法人『come back home』を舞台にしたほんわかしたストーリーから、シームレスに展開する緊張感や薄気味悪さ、
芝生の庭にぽつんと残されたビニールプール、今では見ることも少なくなった古い型のポスト、人一人入り込む幅もないブロック塀の隙間、といった文章から浮き上がるビジュアルが秀逸です。
強力な磁場のように、これらの世界を調整して不気味なつじつま合わせを行う意思は誰のものなのか?
物語はまだ序盤ですが、続きが楽しみです。

★★★ Excellent!!!

 秀逸でございますッ!! 秀逸でございますぞぉぉぉぉぅッ!!(早馬で駆けながら

 ねえどうして すごくすごく凄かこと ただ伝えたいだけなのに
 ことばが 天保っぽくなっちゃうんだろう……(知 る か

 本作は、事件性の見られない行方不明者の捜索を主たる活動とするNPO法人「come back home」の面々の織りなす、オカルティックホラー! 深紅の並行世界伝説である……(もぉー真面目にやろうか?

 頼れる(はずの)チーフ、倉部を中心に、軽薄そうでいて実は空気読みまくりの鬼海、常人には見えない「入り口」が見えてしまう、どこか陰をまとったかに見える熊谷ユキ……そして自らの兄を幼い頃に「見失った」、絶対なる記憶能力「カメラ・アイ」を持つ新人、久原龍之介……

 この四人が、何気ないような普段の風景に開いた、不可思議な「入り口」から8つの並行世界を探索し、呑み込まれた不明者の救出に向かうというのが大筋なのですが、

 何より、描写の細やかさ、心情の掘り下げ方、一流映画のカメラアングルと評してもいいくらいの自然な、しかして非常に叙情的な三人称視点がこう……来るわけですよ、こう、ぬこっとね、ぬこっと……(語★彙★力

 文体全体を通しての引き込まれ感に、先の読めなさ/先を読みたさが相まって、拙僧はもう、御成が如くに全・頭皮の毛根が死滅してしまいそうなほど身もだえるのじょのいこ……(毛根が死滅しているわけじゃないし、その語尾は御成じゃなくてえなり

 と、とにかく全カクヨム民たち、この才能に刮目しながらとくと読みなさいなんだからねっ!!(凍★土