酷たらしく血生臭く退廃的で悲壮感漂う世界に美しく

 屍肉漁りと揶揄されるスカベンジャー、アリサが散弾槍を片手に戦争で滅んだ世界を旅しながら過去を一時的に覗ける再生機で、 “先客” となった原因を盗見みし、それを遺物として拾い上げていく物語です。


 酷たらしく血生臭く退廃的で悲壮感満ちる世界。死がすぐ隣にある社会の中で擦れながらも純粋さを残し、情熱という幻想を捨て藻掻き生きる少年少女達。
 汚く淡く儚く生きる者達。
 生きる欲にまみれた者達
 死をどこかに置いてきた者達
 美学を持ち崇高に生きる者達
 その全てをグロテスクな現実が等しく死を与えていく過程を見事に美しく描き切っていると感じます。

 とてもポストアポカリプスと一言で言い表せるものではありません。

 素晴らしい作品に出会う事が出来ました。



 
 

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