殺伐とした世界の中だからこそ光るほのかな情愛

SFやファンタジーで難しいのは一から世界観を構築して
それを読む側にスムーズに理解させ、
自然と入り込めるようにすることだと思うのですが
この話は特に難しい用語をつかうでもなく
わかりやすい文章で荒涼とした近未来の情景を描き、主人公たちの行動を描写を追っているうちにどんな世界なのか自然と伝わってきます。

ストーリーも
明日をも知れない絶望的な日常を
男が女を守り抜く、それだけを支えに生き延びようとする心情が丁寧に描かれています。
緊張感はありますが、過剰に刺激的な展開ばかりということはなく
主人公とヒロインの交流が読んでいてほっとさせる安らぎになっています。

この先どんな展開になるのか楽しみです。

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