やきもきしてしまう、行き交う『想い』

一応『BL』の表記があるが、いわゆるBLっぽい描写はないので、苦手な方もご安心を。
何しろ、作者本人が、「BLは苦手」だと公言している。

主人公ふたりの互いへの『想い』を筆頭に、この物語には沢山の『想い』がこめられている。
親子の、音楽に対する、お世話になったひとへの。

著者の作を何作か読んでいるが、特徴として最後の『結末を読者に託す』点が素晴らしい。
はじめはもっと読みたい、と物足りなく思っていたが、蛇足がなくこの先どうなるのだろう、というワクワク感が読後も続くのが面白い。
今作は特にそう思った。

BLっぽい描写はない、と言ったが、色眼鏡をかけた腐女子の皆さんにも満足頂ける『両想い』っぷりなので、我こそは腐女子という方にも読んで頂きたい(笑)

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