皆様、今宵の謠はこの平和な街で起こりましたちょっとした稀有な事件に致しましょう。(シャシャン♬
とある処に、たいそう名のある薬屋と、その道では知れた診療所がありました。薬屋は亭主のみならず、その子らまでとても優れ、一家協力してなかようやっておりました。
しかし何やらこの薬屋、おかしなほどたくさんのかの薬を作っているというのです。
おかしいものです。なにやら、良からぬ気配を感じます(しゃらん♬
裏に何があるのか、お人好しの永遠の35歳たち、さらには新たな人も手伝って平和を守ります。
この続きはどうぞ次の唱にて。ご贔屓に。
わたくし?
ただの蜜柑にございます。
如月さんの和風時代小説、『柿ノ木川話譚』シリーズ最新作。
病気に苦しむ母を持つ、健気な娘ありけり。
そんな彼女が耳にしたのが、病気が治らず苦しむ人が行きつくという、七篠診療所。
そこに行けば病の苦しみから解放されると言われていますが、病気が治るわけではありません。
しかし苦しみながら最期を迎えるのではなく穏やかに旅立てる、安楽死をさせてくれるのが、七篠診療所。
安楽死と聞くといいイメージを持たない人もいるかもしれませんけど、考えようによってはこれも、人を助けるための行為。
しかしそんな七篠診療所の周りに、怪しい陰がちらつきはじめます。
そこで調査に乗り出したのが、シリーズではお馴染みの面々。
調べ事が得意な悠さんや、元殺し屋の栄吉さんなど、一癖も二癖もある連中が大暴れ。
人情に溢れた痛快時代劇、開幕です!
元殺し屋や、裏の情報を仕入れるのに長けた者など、個性豊かな面々が活躍する、人気の時代ものシリーズ、柿ノ木川話譚の第五弾。
今回は、七篠先生という診療所のお医者様をにまつわる方が話の中心になるのですが、患者が最後に苦しまないように大量の麻酔を投与するというのが、この先生のやり方。
もちろん麻酔というのは病気を治すものではありませんし、ひとつ間違うと危険なもの。なので、そんなことをするのはもう治る見込みのない患者限定であり、せめて最後くらいは苦しまないようにしてやろうというのです。
危険なものとちゃんとわかっているからこそ、使い所は心得ています。
ただし、世の中には悪い奴だっているのです。麻酔に使われているアヘンを狙って、何やら良からぬ企みが。
もちろん、そんなのを察して黙っているいつもの面々ではありません。
さらに、それと平行して、初々しい恋の物語も同時進行。
真っ当に生きる人たちも、初々しい恋も、悪い奴らに踏みにじられるわけにはいきません。
情に溢れた個性豊かな者たち、今回も大奮闘です!