作者さまが手がける時代もの「柿ノ木川話譚」の最新作、お恵の巻。
物語は凄腕のヤブ医者と、そのヤブ医者が匙を投げてしまった時だけに紹介される診療所を舞台に展開していきます。
身体中に激痛が走り、この時代では不治の病とされる癌。それに蝕まれたとある母親は覚悟しつつも、自分の娘の白無垢姿を見られないことだけが心残りだった。
それをしった枝鳴長屋の面々は、再来の世話焼きでその夢を叶えようとしますが──、物語は思いもよらぬ方向へ。いつもの面々がたどり着いた真実とは、一体──?
いやぁ、この辺りの話の転がし方がやっぱり実力ある作者さまならではで、気がつけば一気読み間違いなし。自信を持ってお勧めできる作品に仕上がっています。
シリーズものなので第一シーズンから読んで欲しいのですが、物語の長さをまるで感じさせない作者さまの手腕は本物。あなたが物書きならばきっと何かを得られるのは間違いなく、読み専の方々はきっと「お気に入りのシリーズ」になること請け合いです。
今回のお話は、枝鳴長屋の面々が持つ「人情」が溢れるお話。現代社会に足りなくなっているこの「人情」を、味わってみませんか?
皆様、今宵の謠はこの平和な街で起こりましたちょっとした稀有な事件に致しましょう。(シャシャン♬
とある処に、たいそう名のある薬屋と、その道では知れた診療所がありました。薬屋は亭主のみならず、その子らまでとても優れ、一家協力してなかようやっておりました。
しかし何やらこの薬屋、おかしなほどたくさんのかの薬を作っているというのです。
おかしいものです。なにやら、良からぬ気配を感じます(しゃらん♬
裏に何があるのか、お人好しの永遠の35歳たち、さらには新たな人も手伝って平和を守ります。
この続きはどうぞ次の唱にて。ご贔屓に。
わたくし?
ただの蜜柑にございます。
如月さんの和風時代小説、『柿ノ木川話譚』シリーズ最新作。
病気に苦しむ母を持つ、健気な娘ありけり。
そんな彼女が耳にしたのが、病気が治らず苦しむ人が行きつくという、七篠診療所。
そこに行けば病の苦しみから解放されると言われていますが、病気が治るわけではありません。
しかし苦しみながら最期を迎えるのではなく穏やかに旅立てる、安楽死をさせてくれるのが、七篠診療所。
安楽死と聞くといいイメージを持たない人もいるかもしれませんけど、考えようによってはこれも、人を助けるための行為。
しかしそんな七篠診療所の周りに、怪しい陰がちらつきはじめます。
そこで調査に乗り出したのが、シリーズではお馴染みの面々。
調べ事が得意な悠さんや、元殺し屋の栄吉さんなど、一癖も二癖もある連中が大暴れ。
人情に溢れた痛快時代劇、開幕です!
元殺し屋や、裏の情報を仕入れるのに長けた者など、個性豊かな面々が活躍する、人気の時代ものシリーズ、柿ノ木川話譚の第五弾。
今回は、七篠先生という診療所のお医者様をにまつわる方が話の中心になるのですが、患者が最後に苦しまないように大量の麻酔を投与するというのが、この先生のやり方。
もちろん麻酔というのは病気を治すものではありませんし、ひとつ間違うと危険なもの。なので、そんなことをするのはもう治る見込みのない患者限定であり、せめて最後くらいは苦しまないようにしてやろうというのです。
危険なものとちゃんとわかっているからこそ、使い所は心得ています。
ただし、世の中には悪い奴だっているのです。麻酔に使われているアヘンを狙って、何やら良からぬ企みが。
もちろん、そんなのを察して黙っているいつもの面々ではありません。
さらに、それと平行して、初々しい恋の物語も同時進行。
真っ当に生きる人たちも、初々しい恋も、悪い奴らに踏みにじられるわけにはいきません。
情に溢れた個性豊かな者たち、今回も大奮闘です!