二人だから、生まれる音楽。

正反対に見えて似たもの同士。二人の求めるものは同じでした。

純白のプリンス、大路詩音はピアニスト。漆黒の一匹狼、大神響は作曲家。
ともに才能に溢れた者同士が出会ったのは運命的でした。
二人は互いに自分に欠けていたものを相手に感じ、音楽ユニットを組みます。

二人の打てば響くような会話と、クリエイティブで躍動感に溢れたステージが本当に楽しくて、読みながらピアノの旋律に包まれるような気持ちになります。

クラシックに詳しい方ならこの作品の面白さを100%堪能出来ると思いますが、残念ながらそこまでの知識がない私のような読者でも充分に楽しめます。

テンポの良い文章は天才ピアニストの弾く名曲のように淀みなく、心躍る音楽の世界へ読者を導いてくれます。

芸術家同士のはじめて理解しあえる魂の出会いと歓喜は、BLと呼ぶにはあまりにも純粋で微笑ましいものでした。清々しい青春小説と言っていいと思います。

至福の読後感を是非味わって下さい。

その他のおすすめレビュー

来冬 邦子さんの他のおすすめレビュー804