お祭りの夜の、怖い神話と、小さな恋(かもね)の話―――

 古事記の天孫降臨神話の引用から始まるこのお話。
わずか二万字足らずにフォークロアとホラー、そしてアオハルが詰め込まれたお得感満載の短編です。

 短編にたくさんの要素が入っているので、流行りのラノベのように一から十まで懇切丁寧に描写されていません。
 
だが、あえて言おう!そこが良いと!

 これでもか!と詰め込まれた要素と、作者さまが泣く泣く削ったであろう言葉たちが、背景の、世界の想像を掻き立てるのです。
そして煽られた想像力が、読後に余韻を生んでくれるのです。
 だから、短編を読むのは病みつきになります。


 みなさんも、焚きつけられた想像力に悶えてみませんか?

その他のおすすめレビュー

白兎黒烏 【シロウ・Crow】さんの他のおすすめレビュー2,279