祭礼の夜に

作者 武州青嵐

50

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★★★ Excellent!!!

一晩の出来事が一貫して描かれているので、主人公の和奏と一緒にその夜を体験しているように感じられる作品です。

展開が早く、臨場感があり、読んだ後にすっきりとした感覚がある良い短編です。

いつもとは違う祭りの夜に、和奏は何に巻き込まれ、どのような結末を迎えるのか。ぜひあなたの目でお確かめください。

★★★ Excellent!!!

地元で毎年開催されているけれど、実は何を目的に行われているのかわからない……そんな田舎のお祭り、あなたにも覚えがありませんか?

今作はそういった『よく知らないままひ参加していた祭り』が『何故か普段とは違った形式』で行われることになったところから始まる、和風ホラー。

まず準備段階から物々しい雰囲気が醸し出され、皆が恐れる『得体の知れない何か』への不安がぐっと高まります。

何を守護し、何から守護したのか、はっきり明言されないのですが、そこが逆にリアルで怖い!

崇める存在と忌避される存在。

それらは我々にとっては『生活の邪魔になるかならないか』という些細な違いでしか区別できず、どういったものなのかと解釈し、理解しようとするのは不可能なのかもしれません。

何故なら、彼らは私達人間とは異なり、私達の理解など及ばぬ存在であるのだから。

神々しさと禍々しさは紙一重、そして日常に不意に落ちる非日常。
しかしその中に轟く『先導して参る』の雄々しい声に、人間の強さを垣間見ることができます。

またホラーだけではなく、ほんのり甘酸っぱいツンデレ気味なラブもあり♡

コメントでも書かせていただきましたが、ヒロイン・和奏はこれから清彦を意識して悶えれば良いと思います!!(・∀・)

★★ Very Good!!

 古事記の天孫降臨神話の引用から始まるこのお話。
わずか二万字足らずにフォークロアとホラー、そしてアオハルが詰め込まれたお得感満載の短編です。

 短編にたくさんの要素が入っているので、流行りのラノベのように一から十まで懇切丁寧に描写されていません。
 
だが、あえて言おう!そこが良いと!

 これでもか!と詰め込まれた要素と、作者さまが泣く泣く削ったであろう言葉たちが、背景の、世界の想像を掻き立てるのです。
そして煽られた想像力が、読後に余韻を生んでくれるのです。
 だから、短編を読むのは病みつきになります。


 みなさんも、焚きつけられた想像力に悶えてみませんか?

★★★ Excellent!!!

  地元の青葉祭で『ハナタカ』なる役をやらされることになった和奏(わかな)。
 小学校のときにもやっているから、これは二度目なのだが、はて? この役、高校生でもいいのだろうか?

 どうやら、今年の青葉祭は、例年のものとは何かが違うようだが、だれも詳しいことは説明してくれない。???の連続で迎えた祭の夜。それは起きた……。

 武州青嵐さんの作品の面白さは、何といってもジャンル不明なところ。

 本作も、ラブコメか、伝奇ものか見当もつかない。謎が謎を呼びそうで、呼ばなそうで、ドキドキびくびくしているうちに話が走り出し、あっと気づいたら読み終えてしまう。

 おっかなびっくり、慎重に読み進めているつもりが、いつの間にか深みに誘い込まれていたようで、はっと気づくと、「え? もう終わり」と、現実の世界にもどってきた読者は周囲をきょろきょろする始末。

 日常のなかに、差し挿まれる非日常。それこそが、祭、なのです。

★★★ Excellent!!!

『ハナタカ』になんてなりたくなかった。
お祭りの日に不慣れな衣装を着て練り歩く、疲れるだけの役割である『ハナタカ』。小学六年生の時にやらされて、もう二度とやらないと思っていたのに。
高校生になった花丸和奏は、何故かまた『ハナタカ』に選ばれていた。原因は神社の息子であり、昔一緒に『ハナタカ』をやった清彦が指名したから。
どうして自分を選んだのか。不満に思いながらも役目を全うしようとする和奏と、どこか態度のおかしな清彦。
そして聞けば今年の祭りはいつもとは違い、特別な意味を持つものだそうで…

有所正しき儀式、『ハナタカ』にまつわる物語。
和奏と清彦が体験した不思議な春の日の出来事。二人の思わずニヤリとするやり取りにも注目して読んでみてください。