概要
生きている宇宙船、星から産まれた少年の物語
多種多様な種族で構成される恒星間国家、共生知性体連合には生身で宇宙を渡る種族が存在する。それは強き背骨を持つ龍骨の民――”生きている宇宙船”と呼ばれる艦船(フネ)型種族であった。隠居した老いぼれ船が碇を下ろす彼らの母星で、破格の大きさを持ったフネの赤子が産まれ出る。デュークと名付けられたフネの子どもは、老人たちからたくさんの愛情とご飯を与えられ、すくすくと育ち恒星間を渡りゆく力を得る。母星を離れた少年は僚船達と超空間を進み、訓練所に入って異種族たち一緒に訓練を受けることになった。厳しい訓練・触れ合い・甘酸っぱい恋の味、成長したデュークは恒星間戦争の担い手となる。それはガンマ線レーザーを放ち、対艦ミサイルを乱れ撃ち、必殺の光子魚雷を叩き込むという極めて危険な仕事であったが、彼とっては天職としか
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- ★★★ Excellent!!!優しい重力の母星と
マザー:直径が地球の4分の1ほどの低重力の惑星、あるいは惑星規模の工場(?)
から産み出される、生きている宇宙船の民族「龍骨の民」。
星間戦争では悲愴な玉砕戦に身を投じ、自分たちを犠牲にして若者を生き残らせようとする勇士だが、
自分たちのネストに、なかなか新しい幼生体が産まれず、心を痛める老骨たちでもある。
そんななかマザーがネストにもたらした待望の新生児は、12個もの縮退炉を持ち、少年期で早くも500メートル超に迫る巨艦!
私達、地球の人間とはかけ離れた世界感・身体感に没入するいっぽう、
彼ら同士、特にデュークに注がれる愛情がとても温かく、龍骨の民の絆が感じられます。 - ★★★ Excellent!!!銀河の雄大さと優しさに満ちたSFファンタジー。
自らの命と意志を持つ、巨大な「船(宇宙船)」デュークを主人公とした、SFファンタジー巨編です。
デュークは生ける宇宙船の種族「龍骨の民」として生まれ、戦闘用の宇宙船(軍艦)として生きる事になるのですが、とても穏やかで心優しく、好奇心も旺盛な少年として描かれており、まずそのキャラクター性に愛おしさを覚えます。
「龍骨の民」は完全に人間とはかけ離れた巨大な機械生命体なのですが、デュークの優しさ、大らかさが、この不思議な種族と世界観、物語自体を、ぐっと身近なものとして感じさせてくれます。
デューク以外に登場する、他の「龍骨の民」達、あるいは別の惑星で暮らす異星人たちも、人生の先輩としてデュークを導…続きを読む