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概要
なにもできやしないかな
「何もない。」どこでもそう思う癖がある。一緒に、透明な森とかそんなイメージを思い浮かべようとする。
目の前の風景と自分との関係を見出そうとする。美しいとか普通とか言うのではなく、そこ在ると思いたい。
透明な森が虚空を映すことはあり得なかった。熱の持たない空想は風を生まない。像は透明な森の形そのままに現実を歪めている。
手紙の上から間違えてインクをこぼしてしまう。汚れた。しかし、彼に言わせると、これは汚れではなく、
「手紙にインクをこぼした。(以下、繰り返し。)」のである。
あれはいつの日の出来事だっただろうか。誰かが冷蔵庫に残したとっておきのプリンを彼が食べた。
彼に言わせると「彼がプリンを食べた。(以下、繰り返し。)」のであり、「誰かのプリンは食べていない。」という事になる。提訴。
こ
目の前の風景と自分との関係を見出そうとする。美しいとか普通とか言うのではなく、そこ在ると思いたい。
透明な森が虚空を映すことはあり得なかった。熱の持たない空想は風を生まない。像は透明な森の形そのままに現実を歪めている。
手紙の上から間違えてインクをこぼしてしまう。汚れた。しかし、彼に言わせると、これは汚れではなく、
「手紙にインクをこぼした。(以下、繰り返し。)」のである。
あれはいつの日の出来事だっただろうか。誰かが冷蔵庫に残したとっておきのプリンを彼が食べた。
彼に言わせると「彼がプリンを食べた。(以下、繰り返し。)」のであり、「誰かのプリンは食べていない。」という事になる。提訴。
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