別れの季節も近いので読んでみました。何気なく読んでいたら後半の伏線回収に驚いたり、言ってしまえば「別れ」の一瞬を切り取った話ですが、その一瞬の中に含まれる景色も感情も濃密で、とても瞬間を切り取った話とは、いい意味で思えませんでした。非常に濃い短編でした。
二人で歩く最後の帰り道。かけがえのない青春の一コマの中で、想いを伝えられない二人の心情が、甘く切なく描かれています。でも、それだけじゃない。悲恋の理由を知った時、驚きとともに、彼女らの想いが何倍にもなって胸を締め付けてきました。あなたは、何を感じるでしょうか?
とても美しい情景描写と甘酸っぱくてリアルな心理描写に吸い込まれました。ガラス玉が転がっていくような、キラキラとしながらも切なく胸に響くお話で、読み終えた後の余韻も深く重く心地良いものです。ただの青春だけで終わらずラストにかけての流れに圧倒され、眥が熱くなりました。大変洗練されたお話ですので、是非沢山の方に読んで頂きたいです。個人的に、映像でも見たいと思いました。素晴らしい作品をありがとうございます。
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