俺の彼女が数学スイッチ入って語り出すと可愛いからちょっと注目してくれ

作品紹介の前に妙ちくりんな話をすることを容赦されたい。
「数学的な」人物とはどんな感じか、ちょっとした私見を。
どこの大学でもそうだと思うが、理学部には変人が集まる。
中でも、選りすぐりのぶっ飛んだ変人がいるのが数学科だ。

※我が母校の校風として「変人」は好意的な誉め言葉
(関西人が愛情を込めて言う「アホ」みたいな感じ)

初対面で一番目の質問が「好きな素数は?」だったりとか、
考え事に没頭して服を着ずに外出した教授がいたりとか。
要約するに、一途で純粋でまっすぐすぎるがゆえの変人で、
子供みたいで可愛いタイプの人が多い、という印象がある。

私の知る理学部数学科の可愛い変人たちは、残念ながら
外見のほうはさほど可愛くない男どもばかりなのだが。
『数学的な彼女の日常』のMさんはうら若き女性であり、
目を輝かせながら難しいことを語る姿が、普通に可愛い。

日常的に何気なく使っていながら、実は意味を知らない。
そんな数学用語について、身近な例示で説明がなされる。
普段は開くことのない「知」の扉の向こうを、チラリと、
「俺」とMさんのじれじれな恋模様と共に覗いてみては?


追記:
一生懸命に話を聞こうとする「俺」にも拍手を贈りたい。
分野違いの深い話に追い付こうとする姿勢、偉いよ……。

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