心地よい仄暗さ

上質なホラーは、読んでいると少し首筋のあたりが涼しくなる。
それは作品を通じて、自分自身もまたこのほの暗い世界へと引きずり込まれようとしていると錯覚するからだ。
いや、それは本当に錯覚なのか?
そう自問自答したくなるほど、本作はひんやりとしたリアルな質感に満ちている。
この世界を、ぜひ体験してほしい。読後は少しだけ、社会不適応レベルが上ってしまうかもしれないが。

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