魔法の国はなぜ消えた?不条理な悲劇が読者を一気に異世界に引き込む

【注意:序盤のネタバレあり】

初話、訳も分からないまま危急の事態に見舞われる展開になんとも言えない不気味さを感じながら拝読しました。
前半、クロソラとイサリの睦まじい様子が丁寧に書かれていただけに、二人が消えた時にはなんとも言えない物悲しさがありましたが、物語への導入として十分に心を動かされる展開でした。

次話、冒頭の青年が事件で生き残った本人、あるいはその関連の人物であることを、夢を通じて説明されていているのは上手いなあと思いました。
薄っすらと頭の片隅に残っている記憶が、今後どのように物語りに影響していくのか楽しみです。
そして、謎の喋る猫との出会い。
ここも、今後の展開に十分興味を惹かれる展開で、思わずページを捲りたくなります。

列車や魔力線などというガシェットから、ある程度進んだ文明と魔法が混在しているような世界観ということが分かります。
このあたりも、よくある中世風異世界とは違った感じで新鮮でした。

表現力、構文力、世界観、すべてしっかりされていてとても読み応えのある作品だと感じました。
引き続き拝読させて頂きたいと思います!

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