恋は美しく、そして恐ろしい。

人の思いというのは、美徳であり背徳にもなりえるのだと感じております。

感情を自制し、自律できるのを立派な人間というのかもしれませんが、和のために抑圧することすべてが善ともいえません。ましてや思春期の少年であれば、どうして抑え込めるのかといったところです。
恋に翻弄されていく舜介の姿は、強く胸に訴えるものがあります。思いが報われないとわかっても諦められない。理不尽と感じつつも暴走してしまう。そんな彼があまたの葛藤の末に出した答え、恋のはじまりとおわりとまた別の何か。切なさと晴れやかさの混在した心から、恋の素晴らしさを感じました。

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