苦しくて辛い初恋を乗り越える姿に、ただただ涙でした!

作者さまの作品の特徴に、設定の上手さもさることながら、切り込むように色んな感情を胸に突き刺してくる心理描写があります。

今作もその特徴が活かされていまして、序盤から物語に引き込まれていきました。

ストーリーは、年上の女性を好きになってしまった小学生の男の子が、色々な関係を通して初恋を乗り越えていく内容です。

その過程には、様々な仕掛けが用意されていて、その都度揺れ動く世界に胸が苦しくなったり、涙したりと、初恋の不安定さを見事に表現されています。

年齢に合わせた軽いタッチの文体ですから、構えて読む必要はありません。抵抗なく頭に状況が流れ込んできますので、じっくりと感じることに専念することができます。

見所は、ずばり、ラスト直前に自分の気持ちに決着をつけようとするシーンです。中学生の不器用さ、不恰好さがそのままで、でも、一途な気持ちに完全にやられてしまいました!

初恋の想いに正直に向かい合った一人の男の子のストーリー、ぜひみなさまにオススメします。

青春モノの中で、切ない系が好きな方には特に刺さるのではないでしょうか!!

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