ねぇ、先生…

チェシャ猫

第1話

「せーんせっ!いる?」

いつものようにいると知っていてドアを叩き、中をのぞき込む。

「お前はいる日しか来ないだろ?」

呆れたような顔でこちらを眺める白衣を着た男性。もはや見慣れた光景だ。

「そーだけどー。まぁ一応確認?」

私は当たり前の顔で保健室の中の長椅子に座って先生を見つめる。私がここに来るようになって半年、火曜日と木曜日の先生がいる日は学校に来てから、いつもここで休み時間に先生と話している。

「全く、あまり邪魔するなよ。」

「分かってるって。」

島田先生はいつもこうだ。私のことを少し邪魔者のように扱う。それでもちゃんと私のことを心配してくれる優しい所もあるけれど。

「そろそろ授業始まるだろ?早く戻りな」

この言葉を先生から言われたら私の1週間の中の一番幸せな時間はおしまい。これが私の学校生活だ。

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