第3回 《白い天使》よ永遠に……優華、引退

 男子のプロレスもそうですが、お気に入りの選手の引退は応援していたエネルギーと比例してその衝撃・悲しみの度合いは大きくなります。その選手がある程度のポジション(例えばトップを長く張ったとか、タイトルを獲った等々)までいけば納得はいくのですが、まだ若くこれから先の未来や、もっと輝ける可能性があった選手の引退は悲しく寂しいです。

 本日(2019年3月31日)、約2年半の長期欠場を経てアイスリボンの優華選手が引退の報告を、後楽園ホールに詰め掛けたファンの前で行いました。ビジュアルも良しプロレスセンスも申し分なく誰もが、彼女に《女子プロレス界の未来のエース》を夢見た事でしょう。わたしも彼女と現アイスリボン・トップ選手の世羅りさ選手と二人でアイスリボンの新時代を築いていくのだろうな、と思っていましたが、それも叶いませんでした。

 怪我から長期欠場に入り、幾度も復帰のチャンスを窺う一方で次々と入団する新たな選手たちがアイスのリングで活躍する姿を見て「今の自分が、この闘いの輪の中に入っていけるのか?」と躊躇したといいます。その闘いの輪の中へ一歩踏み出せなかった事が一番の後悔だと彼女は言いました。このまま人知れずフェイドアウトする事も出来たのですが、わざわざホールまで来て自ら引退をファンの前で報告したのは優華の、アイスリボン所属の《プロレスラー》としてのプライドだったのでしょう。

 彼女の未来に幸あれ!

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