剣道を巡って展開される青春群像劇!

 剣道を全く知らない小生でも、面白くて次々と拝読してしまいました。登場人物たちのコミカルなやり取りや、凛々しい剣道の対戦シーンなど、メリハリが効いていて、とても読みやすい作品です。
 本編が他にあるという事ですが、この作品はこの作品として、十分な魅力が詰まっています。いわば、剣道部を中軸にした青春群像劇です!
 一章は剣道の天才少女が、高校の剣道部に入部して規格外の大男に勝負を挑む語りです。眉目秀麗な剣道の天才少女と、剣道馬鹿の対決は見ものです。剣道の真剣勝負に、思わず引き込まれてしまいました。竹刀のぶつかる音が爆ぜて、スローモーションのように相手の動きを読む光景が浮かび、策の巡らせ合いや罠の張り合いが瞬時に行われます。
 二章目は、ヒロインになりたかったもう一人の女子剣道部員の語りです。一章に出て来た天才剣道美少女に対して卑屈だった彼女が、危ない目に遭いながらも剣道を通して自分の居場所や、本当の自分の気持ちに気付く情景が、みずみずしく描かれていて、こちらもお勧めです。
 次はどの部員の視点で物語が動き出すのかが楽しみです。
 是非、ご一読ください。

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