おとうさんの影響力からは、もう、逃れられない!

 会社を次々に倒産に追い込む男性に気に入られてしまった、青年の物語。青年はその男性に父の面影を見て、「お父さん」と呼ぶようになる。出会って一社目のことである。「お父さん」は前の会社が倒産して、主人公の青年と同じ職場で働くことになるのだが、雲行きはどんどん怪しくなってく。
 「お父さん」のせいで、主人公が勤めている会社は倒産してしまう。そして次の大手企業も、上場企業も、次々と「お父さん」は倒産させていく。その手腕はもはや呪いのレベルである。
 しかも「お父さん」の影響力は国境を越えて、他の国々にまで及び⁉ ここで何故主人公が、コロンビア大学の学生だったのかという事にも納得がいく。設定の時点で、全て伏線だったのだ。
 この小説がスマートニュースとのコラボコンテスト向けに書かれたことにも、驚愕する。朝一で会社員の日常を壊しにかかっているようなものではないか。「お父さん」も凄いが、この作品を書いた作者様も凄い(いろいろな意味で)。
 是非ご一読ください。

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