登場人物の「濃さ」が際立つキャラ文芸、出てくる奴等は曲者だらけ!

カクヨム屈指のミステリ作家として知る人ぞ知る作者さんが描く、キャラ文芸系作品(おそらく新シリーズ?)です。
キャラ重視の作品ゆえか現代ドラマジャンルではありますが、物語全体を構成する読み味は基本的にミステリのそれ。推理ドラマや警察小説がお好きな方であれば、申し分なく楽しめる内容かと。

新作で特筆すべき点は、やはり登場キャラクターの良い意味で際立った「濃さ」でしょうか。
導入から2万7000字強でストーリーが一区切り付くまでのあいだに、科捜研の関係者だけでも主人公を含めて7人もの人物が登場するのですが、これがまたどいつもこいつも一癖ある人間ばかり。
これだけいっぺんに沢山の人物が出てくると、普通はなかなか覚え切れないものですが、そのハードルを圧倒的なキャラ性のインパクトでクリアしているのはさすが。
一度読んだら忘れられそうもない奴等を、よくぞこれだけ揃えたものだと素直に感心させられてしまいました。

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