概要
こういうのが読みたいから書きました。
罹患者に異能をもたらす巨大な桜《扶桑》が出現しておよそ一世紀。《花粉症》に罹り、生きることに倦んだ八街幸は、異能に目覚めたものが送られる町《メフ》で新しい家族や友人と出会い、メフでの暮らしに慣れていく。そんな折、幸は連続殺人事件に巻き込まれる。事件を機に幸は自身と向き合い、異能を用いて《ケモノ》と戦う《狩人》に憧れる。幸は狩人になれるのか。そもそも明日もちゃんと生きていられるのか。やべー感じのやつが集まる町を舞台にした現代異能ファンタジー。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!異能をもたらす花粉症と少年の柔らかい心の襞
《花粉症》に罹患し、異能を獲得した人々が隔離される街、メフ。主人公である八街幸もまた、花粉症によってこの街に放り込まれてきます。未来を絶たれて失意の内にある主人公が、メフで新たな生き方を見出していくというのがこの物語。
主人公の若々しい繊細さと、メフという閉鎖された街で暮らす青少年の鬱屈した感情が織り成すほろ苦いストーリーがたまらない。それでいて、《花粉症》によって得た異能《花盗人》を揮って戦うシーンは熱く鋭い。繊細と熱情、優しさと厳しさ。主人公と同様、物語にも二面性があって、どこを切り取っても素晴らしく完成されています。
ちなみに、タイトルの驢鳴犬吠はろめいけんばい、と読むそうな。悩…続きを読む