幻想的でダークなファンタジーとミステリーが融合する!

物語全体を通じて、作者様の確かな筆致による情景描写によって、幻想的でやや重い独特な雰囲気が一貫してまとっているミステリー&ファンタジーです。

少女が雨の日に外出をしてはならない、という風習をやむを得ず破ってしまい、村から放逐されたことに始まり、様々な謎が交差しながら物語は進んでいきます。
並行するもうひとつの事件とどう絡み合っていくのかも見所だと思います。

ダークながらも、その中から一縷の光を見出だすような希望もあり、読者に確かな余韻を残していきます。

また実在した世界史における伝説や時代背景をモチーフとして、幾つもの文献に裏打ちされた物語は、より一層の重厚さを醸し出しており、非常に素晴らしい。作者様の執筆に対する情熱と真摯な姿勢が垣間見ることができます。

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