七転八倒、七転び八起き!!

同作者様の別作「いばらの咎」と世界を同じくしている本作。前作のシリアスで耽美的で華美で暗く湿った世界に魅せられてこちらにもやって来たわけですが、なかなかどうして、同じ世界と思えぬほどにポップな本作。

残念オブ残念の超絶ヒロイン、ゼリスリーザ様。彼女は王様を射止めようと頑張るわけですが、なんかもう直視できないくらい残念。
体型も残念、頑張り方も残念、キャラも残念な彼女ですが、七転八倒の末、七転び八起きでハッピーになってゆきます。
はじめこそ、苦笑しながらそれを見守るわけですが、物語が進むにつれ彼女やその周囲の様々な状況を我が事のように思い、手に汗握りながら応援していました。

求めるものは、己の意思と力で掴め。などと彼女は言いませんが、そんなハードボイルドな姿勢すら感じられるほどのヒロインです。

別作「いばらの咎」を読めばその対比で四倍楽しめますが、勿論本作のみでも120%面白い。

読むうち、私の苦笑は心からの笑顔に変わり、最後は万歳三唱。
いや、読んでよかったです。ホントに。

ほら、皆の者、そこをどけ。
空前絶後の超絶怒涛の最高のヒロイン、ゼリスリーザ様のお通りだ!!!

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