あんたが考えるよりもっとずっと器の大きい女なのよ!

おおゼリスリーザ、お前は何を言っているのだ……!
彼女はちょっぴりとんちきでちょっぴりあんぽんたんでちょっぴり猪突猛進でちょっぴり暴れん坊将軍ですが、読者である私は知っていたよ……あなたは最初からずっと家族思いの根は優しい女であるということを……。

この上なく強くたくましくふてぶてしく図々しくそれでいて美しく賢い女ゼリスリーザ。
異国の王の愛妾になるべく腕力で従姉を下し海を渡ってやって来たが、彼女が目指していた王にはすでに寵愛を傾ける愛妾がおり、彼女の入り込む余地はなし。
だが母国ではあんなに家族を泣かせて大勢の人に見守られて政治的な大義まで背負って旅立ったというのに、ここで帰るわけにもいかないし……。
そんな彼女がたくましく次の道を選ぶまで、がこの物語の筋なのですが。
時にげらげら笑ったり、時ににやにや笑ったり、時にほろりと涙したりなどして、ゼリスリーザと一緒に旅をしました。
本当に、あんたはたくましい女だよ……。絶対自分で幸せをつかみ取りに行くって分かっていたよ。

最後、彼女はどんな未来を選び取るのか?
そうなるって分かってたよ!と思いながらも、辿り着いた時はほっとして、心が温まりました。

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