海の向こう側

作者 SHASHA(丹羽夏子)

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★★★ Excellent!!!

この作品を読んで、ふと頭に浮かび上がったのは、THEBOOMの有名曲、「島唄」の歌詞の一節であった。

「島唄よ風に乗り、鳥と共に海を渡れ」
「島唄よ風に乗り、届けておくれ私の涙」

その女性は、彼のもとに続く海と空を眺め、何を思うのだろうか。
愛の美しさとやるせなさを、同時に感じさせる内容であると思う。

★★★ Excellent!!!

人と人を隔てるもの。それは言葉であり、国や地域という社会であり、そして海という物理的あるいは心理的距離。
同じ砂浜にいながらそれを隔て合う二人を見ることで、人と人との繋がりを見ることができるように思います。

自ら産まれ育った島で、母語ではない帝国語を話す主人公と、自らの故地を思い、母語である帝国語を話す男。
同じ色を見、同じ海を見、同じ鳥を見るはずなのに、二人は隔たれている。

たとえそうであったとしても、それを越えて、一つになろうとすることができる。それは勇気であり、あるいは愛そのものであるのでしょう。
その実態とその行為がもたらす結果がなんであれ、その行いはとても優しく、美しい。

それでも人を縛るものがあるのだということを男の言葉から感じ、国とは、世とは、そして人とはたいへんに切ないものであると感じました。

たいへんに短い物語ではありますが、人というものが深く、そして端的に分かりやすく切り取られており、非常に胸に刺さるものでありました。