魔王を目指し、様々な悪行を試行錯誤するヴァンだが……やる事為す事、自分を善人に押し上げる方向に物事が進んでしまい!?
私は小説を読む時、少なからず「解読」の目で見てしまいがちです。
しかし、この物語を読んでいる時はそんなことなんて忘れてしまいました。それほどに私を引き込んでくれる、底抜けの明るさに圧倒されました。
優しさに満ち溢れていて、読んでいるだけで温かい気持ちになってしまう。
それでいて、凄そうな兵器が登場したり、バトル展開が始まるとドキドキせずにはいられない……。
個人的にとても好きな物語です。書ききった作者さんへの賛美と、この物語に出会えた偶然に感謝を!
魔王になりたい厨ニ病満開の生徒会長・ヴァンによる、笑える(本人は主に泣いてる)学園ファンタジーコメディです。
ところがこのヴァン、とんでもない運に恵まれていて悪事を働けど働けど本人の意に反して『善行』になってしまうという、ある意味不運な男。
タイトルにもあるように、主人公となるのはヴァン曰く副官、実際は副生徒会長・グレイですが、宇宙の果てまで突き抜けたハイレベルのボケ達だらけの今作品において、唯一常識あるツッコミ役として奮闘します。
彼の絶え間なきツッコミへの頑張りは、時に涙を誘うほど。
どうしてそこいったーー! というぶっ飛んだ登場人物達を相手に奮闘する姿に、もういい休め……っ休め……っ! と画面の向こうから幾度となく声援を送ってしまいました。
けれど辛いことばかりじゃない。
同じく生徒会役員である紅一点のヒロイン・ミリアのハートをゲッチュした、今のところ唯一のリア充でもあるのです。
しかし、ミリアもまたボケ担当ゆえにワンダフルなくらいボケ倒す彼女とグレイとの会話はほぼ噛み合いませんが、噛み合った時の甘さといったら歯だけでなく顎まで溶けるほどです。
生徒会の面々だけでなく、不良グループや対立するグループなども個性溢れる面々が揃い、まさにボケの宝石箱!!
笑いだけでなく、熱い青春模様や思春期ならではの葛藤(と呼んでいいのか……?)、泥臭くもありスタイリッシュでもある戦闘描写と見所は盛り沢山です!
果たして、失敗だらけの魔王計画はいつか成功するのか!?
まだ物語は途中ですが…………しないような気がしてなりません(笑)
魔王と聞けば悪役を想像するのが常ですが、此方の魔王は成すこと全てが善行になってしまうという、ある意味で空回り系の魔王という愛されキャラ。
ですが、この物語における主軸は魔王の友人だと思います。魔王に振り回され、そして馬鹿な催しに突っ込みを入れるものの、腐れ縁かもしれませんが何だかんだで見捨てず付いてきてくれる。その姿に健気と見出す方は少なくないでしょうw
更に少々(?)天然の激しいヒロインも加わり、物語は(善い方向へと)暴走する!!
悪の魔王を目指したいけど尽く失敗に終わってしまう、ドタバタギャグ学園ストーリー。異世界学園が好きな人には、是非読んでもらいたい一作でございます。
一見すると、ヴァンが主人公のようで、色々とやってくれるのだが、これは、友人グレイの物語である。
ヴァンは、人族と魔族の混在するヴァルハラント学校の生徒会長に就任したばかり。
その胸の中は、魔王になりたいもやもやで一杯だった。
何故にもやもやかと、やることなすこと、魔王になる反対の善行をしてしまうからであった。
少女ミリアが登場するが、可愛らしいこと、天然なこと。
それに、グレイとヴァンの掛け合いの面白いこと。
ノリノリでぶっ飛ばしています。
でも、それだけではないのですがね。
ちゃんと分かっています。
そして、簡単魔法でカッコいいバトルシーンもぐっと引き締まった演出になっております。
ぜひ、ご一読ください。
ヴァルハラント学校生徒会長のヴァンは、悪行の限りをつくし、『魔王』と畏怖される存在を目指しているはずなのに、その『超運』のために、悪行はすべて善行となる悲しい男。
この物語は、そのヴァンを中心に、ヴァンから勝手に副官に任命されたグレイと、グレイをこよなく慕うミリアが核となって進んでいきます。
折角、策を弄し、奸智を巡らせて『悪事』を遂行しても、最終的には『善行』となり、「ありがとう!生徒会長」と皆から感謝され、落ち込むヴァン。
そんな彼を、ついついニヤニヤ笑いながら「だよね。お疲れ、ヴァン」と言いながら読んでしまうこの面白さ!
ストーリー展開の手際の良さもさることながら、どうしてもお伝えしたのは、『戦闘格闘シーン』。
上手い!
動作の描写は当然ですが、心理描写の見せ方が上手い。
小説なので、当然文字として表現されるわけですが、まるで漫画のコマ割りのように容易に映像が脳裏に展開されるのです。キャラの動きに心理描写が上手くついて来ているように感じました。
そんな、いろんな楽しい要素が詰まったこの作品。是非、ご一読ください。
魔王として世に君臨すべく数多の悪行を画策する、ヴァルハラント学校の生徒会長ヴァン。
しかし彼は、その意図とは裏腹にやることなすこと全てが善行となってしまうという、特異体質の持ち主だった!
もう、このノリ大好きです。
ヴァンなりに『悪行』を働こうとしているのに、お約束通りに、予定調和的に、時には斜め上の方向から、それが『善行』になってしまう。
お決まりのオチが来るというのは、期待を裏切られずに笑いを得られる安心感と満足感があります。これ重要。
ヴァンを取り巻く仲間たちも、どこか残念でどこか憎めない賑やかしいキャラばかり。
怒涛のように繰り広げられる会話の応酬が、『お決まりのオチ』に向けた期待感に華を添えます。
一話ずつが短く、あれよあれよとページを繰ってしまう、病みつきになるような作品。
この先も楽しみです。