『魔王』と呼べ! そんな善人を見る眼で俺を見るなっ

ヴァルハラント学校生徒会長のヴァンは、悪行の限りをつくし、『魔王』と畏怖される存在を目指しているはずなのに、その『超運』のために、悪行はすべて善行となる悲しい男。

この物語は、そのヴァンを中心に、ヴァンから勝手に副官に任命されたグレイと、グレイをこよなく慕うミリアが核となって進んでいきます。
折角、策を弄し、奸智を巡らせて『悪事』を遂行しても、最終的には『善行』となり、「ありがとう!生徒会長」と皆から感謝され、落ち込むヴァン。

そんな彼を、ついついニヤニヤ笑いながら「だよね。お疲れ、ヴァン」と言いながら読んでしまうこの面白さ!

ストーリー展開の手際の良さもさることながら、どうしてもお伝えしたのは、『戦闘格闘シーン』。

上手い!

動作の描写は当然ですが、心理描写の見せ方が上手い。
小説なので、当然文字として表現されるわけですが、まるで漫画のコマ割りのように容易に映像が脳裏に展開されるのです。キャラの動きに心理描写が上手くついて来ているように感じました。
そんな、いろんな楽しい要素が詰まったこの作品。是非、ご一読ください。

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