そして誰がいなくなった? 誰も彼もが名無しの容疑者!

人里離れた山荘に集まる見知らぬ人々。
突然の嵐。発生する崖崩れ。落とされる吊り橋。切断される電話線。
——そして発見される死体。

もはやテンプレと言ってしまっても過言ではない、王道オブ王道な密室ミステリー。
この作品もまさにその王道展開をきっちりと踏襲しています。

集まったのは、初顔合わせとなる小規模SNSのメンバー。
各自HNを使った画面越しのやり取りのみで、年齢や性別を始めとしたリアル情報が不確かな間柄。
つまり逆に言えば、互いに初対面ではあるものの、事前にネット上でやり取りしていた情報は持ち合わせているという間柄です。
ネットとリアル、いったい誰が誰なのか。

このお話が王道プラスアルファの面白さを持っているのは、まさにここです。
「顔は知らないけどよく知っている(と思い込んでいる)人」たちの集まりという舞台設定が、物語に奥行きと現代らしいリアリティを与えているように感じました。

わくわくしながらオフ会にやってきたのに、自分の大好きだった場所が徐々に壊されて、精神不安定に陥る主人公・紅ちゃんの心理描写も巧みで、気付けば1日で最新話まで読んでしまいました。
続きも非常に楽しみです。

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