数々のカンフーアクションを作った電影公司に並ぶ名作☆

無限の可能性を秘めた原石。それは、見る者によって好きなポイントや好みの角度は違うものだ。単なる石ころに、どのような価値を見いだすか?

友情・恋・若者なりの大人との駆け引き、そしてカンフーアクション。もしくは『スレスレ』と呼ばれる隠し味。どこに楽しみを見いだすかで、その魅力も変化する。もちろん、全てを貪欲に吸収するために、繰り返し読み直してみる価値だってある。

私が好きなポイントはアクションシーン。若い頃、食い入るように見ていた香港映画の色々な名場面が甦る。その熱いカンフーアクションを彷彿させるような描写に、老廃物で澱んでいる私の血が久しぶりに滾った。

この作品は、日本と異世界を跨いだ和テイストの強い舞台だが、ツォ・ユーシー(佐月詩)製作総指揮による巧みな演出と、たくさんのコメディ要素が盛り込まれた、読みやすいスペクタクル(視覚的に強い印象を与える)小説である☆

主人公が意のままに語る『ドラゴライト』の伝説は、まだ始まったばかり。
(現在、第二部に突入しているのが嬉しい)

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