反抗心の探求者 vs. 狡猾な昼行灯。
- ★★★ Excellent!!!
来年、中学生になる桜井敦。
彼は早朝の神社で、日常の風景を静かに噛みしめていた。
足元の凍てつく地面。白く散る息。
来年は中学生になってしまう今の自分に、サヨナラを言っているようにも見える雰囲気の中。
敷地内の曰わく付きの池に浮かぶ、女性の姿。
彼女の名は、アリス・シーカー。
ナイアガラの滝で消息を絶ったはずの彼女が、
七時間後。
敦の目の前、N県の天見神社の入鏡池で死んでいた。
これぞ、桜雪様マジックです。
どういう事なのかと!
気になって仕方がないのです。
当然、事件となり世間を騒がせます。
本庁から刑事も来ます。
一見、冴えない感じの、相良警部補。
地元警察の婦警・花田を怒らせ翻弄しながら、
第一発見者の桜井敦と、相良警部補は、そこで最初の対峙をします。
二人とも、一筋縄ではいかない性分の上、
不可解な事件だからこそ組み込まれる、オカルト風味の展開。
敦の環境。置かれる心情。
そこに着目する、相良。
相良に目を付けられた事を、ひしひしと感じる敦。
天見神社と入鏡池にまつわる由来。
アリスと敦。
妙にリアルで、想像力を掻き立てられる
この顛末を、一緒に追ってみませんか?
現在、連載中ではありますが、
幻想ミステリーとも言える、桜雪様の世界にトリップして下さい。