甘美な罠に取り込まれ、墜ち行く先は極楽か地獄か
- ★★★ Excellent!!!
主人公・拓海と友人・茂木の二人は、とあることがきっかけで『灯籠村』なる不思議な村に招き入れられたところから、既に怪しい香りが漂います。
というのも、異様なくらいの高待遇!
豪華な食事に素晴らしい温泉に無料の宿泊、それだけではなく美しい女性による夜伽まで!!
その内に茂木の姿が消えて、物語はどんどん不穏な空気に満ちていきます。
コメディもとても面白いのに、ホラーでもこんなにも心を惹き付けるとは……てるまさんの筆力は、本当に恐ろしい!!
閉鎖された空間で、じわりじわりと忍び寄る恐怖に、いつの間にか囚われてしまう――徐々に追い詰められていく拓海のリアルな焦燥感を、美しい筆致で是非味わってみて下さい!