甘美な罠に取り込まれ、墜ち行く先は極楽か地獄か

主人公・拓海と友人・茂木の二人は、とあることがきっかけで『灯籠村』なる不思議な村に招き入れられたところから、既に怪しい香りが漂います。

というのも、異様なくらいの高待遇!

豪華な食事に素晴らしい温泉に無料の宿泊、それだけではなく美しい女性による夜伽まで!!

その内に茂木の姿が消えて、物語はどんどん不穏な空気に満ちていきます。

コメディもとても面白いのに、ホラーでもこんなにも心を惹き付けるとは……てるまさんの筆力は、本当に恐ろしい!!

閉鎖された空間で、じわりじわりと忍び寄る恐怖に、いつの間にか囚われてしまう――徐々に追い詰められていく拓海のリアルな焦燥感を、美しい筆致で是非味わってみて下さい!

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