その刑務所に収監されるのは、風変わりな事件を起こした囚人ばかり

これは囚人たちの正確な記録ではない。

カウンセラーである「ぼく」が淡々と読者の前に示すのは、
科学的には不可能な、しかしなぜか理屈の通った事件の数々。

社会から隔離された囚人たちは不思議に魅力的で人間臭く、
語り手の「ぼく」の透明感と相まって、読み口が心地よい。

2000字に満たないものもある掌編集。
また次のページにどんな囚人が現れるか、楽しみでならない。

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