異世界×言語学! なるほど全然わからん!(だがそれがいい)

いやはや驚きました。これはトールキンの系譜に連なるファンタジーでもあり、SFでもあり、また正しくボーイミーツガールでもある。
これらの要素をすべてちゃんぽん! 
なおかつ主人公が言語学の智識を活用しながら現地の少女と地道なコミュニケーションを取っていく、という異世界言語を主軸に据えたエッジの利いた作品となっています。
異世界現地語の雨あられに酔いしれよう! よくわからんまま読んでても面白いですよ。

まったく別のフィールドの話ですが、ゲームでエスペラント語を学ぶことができるという作品が非常に話題となりました。
「ゴールデンカムイ」なんかもそうですけど、ふだん我々が目にすることのない言語というのは非常に新鮮に映ったりするものですよね。ヒンナヒンナ、ウコチャヌプコロ……等々、私たちの普段の言語観から離れたものに対して興味をいかに持たせるか、というところが作者の腕の見せ所となるでしょう。

ひょっとしたらこれからの作品アプローチの中で、この「言語」という方向性からの試みが今よりも重要なウェイトを占めてくるかもしれませんね。

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