穴太郎、りえりー、わたるが実は親子だったのには驚きです。
ある日、旅行中の飛行機事故にあってしまい、行方不明者が3人出た。それが穴太郎親子。
親子はそれぞれ、違う時空に飛ばされてしまい、穴をくぐり抜け、いくつもの世界を渡ってきた。しかし、穴を抜ける毎に、各々の記憶は段々無くなっていき、3人再会しても、自分達が親子だということさえ、覚えていなかった……。
しかし、わたるが身につけていたあるものにより、3人は再び家族だった記憶を思い出していく…。。
一気に読み進められた作品でした。一度読みり、結末を知ってから、読み返してみると、いくつかの付箋が散りばめられていることに気付きました。
奥が深い作品です。
正直、ありがちテンプレ異世界モノでなければ、某テレビドラマの出来の悪いパロディ、はたまたヒッチコックのパクリだろう、そう思っていました。けれど実態はそのすべてに似通いながら、一筋縄でいかない構造の作品だったんです。
安心感は、すべて逆手に取られます!
テンプレに似せた異世界を舞台にしておきながら、まさに映画「鳥」のパニックと、わた鬼テイストな家族の軋轢をミキシングした、救いようのないホラーです。異世界がここまで絶望感溢れる舞台になるとは。
すべての「穴」が、敬遠せずにはいられなくなります……。
また、登場人物欄の「わたる・・・2歳」がなんの事かと思っていれば、アレか、アレで来たのか!と。(ヒント:貞子)
元ネタを知るなら二倍、いや三倍は楽しめる、背筋も凍る今年の夏にぴったりの作品です。お勧め。
私は異世界モノの物語の傾向があまり好きではないんです。
往々にして日常に退屈している夢も希望もない人物が主人公。あるいは地味で冴えない少年。あるいはどこにでもいる平凡な女子学生。彼ら彼女らがひょんなことから異世界に飛んで大活躍、栄光を掴む。約束された苦悩と葛藤、ラストは絶対ハッピーで締めくくられる。ありがちな展開に辟易してジャンルから遠ざかっていましたが、当作品はそんな私をガッシリと掴んで離しませんでした。とても二百字では語りきれません。超過しますが突き進みます。
まず、マンホールと異世界が繋がっているという発想が面白かったです。だから下水道工事の方があっちとこっちで頻繁に行き来してるんですね。タイトルの通り突飛で穴だらけな設定ですが、納得してしまうだけの説得力がありました。りえりーはマンホールの蓋をデザインする会社に勤めており、出社時間に遅刻した彼女と自らの足で歩行していたわたるが曲がり角でぶつかるところから物語が始まります。
ライトな文体だったので気楽に読み進められましたが、中盤辺りから雲行きが怪しくなり、ラストは衝撃の………。ありがちな異世界ものとはひと味もふた味も違っていました。頭三つ分突き出ています。
そして従来の異世界ものと違ったのは、とにかく人物の魂の状態でしょう。
りえりーはマンホールの蓋の製作で一発当てて一生働かずに豪遊して暮らすのだと野心に溢れていますし、上司の穴太郎も趣味のオカリナと木琴を楽しんでおり、退屈とは程遠いです。2歳児のわたるも幼いながらに世界情勢を見通しています。現状に希望を持っている彼らが異世界に飛ばされ帰れなくなり、絶望するシーンはとても印象的でした。
どんなにシリアスな会話をしていても語尾に必ず「りー☆」を付けるりえりーの口調には終始イライラしましたが、わたるの発語を覚えて間もない2歳とは思えない卓越した言語能力の高さ、流暢な喋り、ナポレオンと重なる思想には舌を巻きました。このペースで行くと1年後には国を2.3国動かし、3年後には世界を支配しているはずなので、物語がりえりーと穴太郎の恋愛三角関係に発展してもなんとなく頷けます。だけど2歳児に恋愛感情でときめくりえりーには共感できませんでした。多分これは私に問題があります。りえりーが可愛いので私の女の部分が嫉妬しているのでしょう。
名前に反してドSでクールでイケメンな穴太郎に心を奪われた方は多いのではないでしょうか。うっかり穴太郎が通りきる前にマンホールの蓋を閉めてしまったりえりーに向けたあの暴言が最高でしたね。「セロハンテープで殴ってやろうか!」殴ってもそんなに痛くないでしょう。穴太郎さんったら優しいんだから〜〜。好き。とにかく人物達が魅力的でした。
レビューが荒れていたので、気になり読んでみました。
鳥の伏線回収が抜かりなく構成がしっかりしてクオリティが半端有りません。しかし、かなりの解釈シナリオで受け手によっては非難されるのが納得出来ます。
ただ、今までのキャラクターの経緯や彼等の心情を考えても、最後の黒い穴の決断は仕方ないと思います。寧ろ良くやったと拍手を送りたい。
衝撃の巻く引きで終わりますが私はかなり大好きな部類なので、あまり読まない異世界ファンタジーでしたが非常に感動的で楽しめました!
高度な下ネタが多いので苦手な方はかなりドン引きすると思いますが、気になった方は読む価値は間違いなくあります!
こ、これは……酷い!
カクヨムランキング上位のこの作品を読んだんだけど、これは酷い!
物語の重要なキャラクターの名前は、りえりー。
穴が……
これ以上は残念ながら、ネタバレになっちゃうから書けないのよね……。
でも、もう少し教えてやっても良いわよ。
物語の舞台は今流行っている異世界。
もう、王道ものかと思って読んだら……
上司の黒田穴太郎と三角関係が起こったり、噂の二歳児のベイビーわたるくんが登場したり!
読み終わると頭が混乱してくるの。もう穴が……。
あ、言い忘れていたけど、鳥恐怖症の方は読まない方がいいわ。
鳥好きの私でもトラウマになるレベルです。
この作品は、鳥と穴の恐怖に駆られたい読者のための作品だと思います。
もう二度と読みたくない……。