めんどくさいは正義!

リュカは過ちを贖罪するため舞い降りた堕天使。
藤ヶ谷ちえりは汚部屋上等、ジャージゴロゴロ最高とめんどくさがり屋な女子大生。
そのズボラな女性ちえりを幸せに導く、具体的にはちえりの片想いを成就させる事がリュカの贖罪である。

二人羽織を見ているかのように、ひとたび手助けに奔走すればイレギュラー要素を誘発するリュカ。
ちえりは彼の介助に翻弄されつつ、ゆくゆくは両想いの大輪を咲かせる……と素直になっていかないのがこの物語。

さらにムエタイ戦士スパポーンの登場が、この物語のコミカル性をぐんと跳ね上げ、面白さを確固たるものにした。
おそらくスパポーンの言動に、誰もがその虜になった事であろう。

だからこそ。
全体的にコメディタッチな印象が物語後半で良いアクセントとなって、相手を想う気持ちそして苦しみや尊さが、ストレートに美しく響いてきたのだろう。
その素晴らしい心地の良さを、洗練された想いの数々をぜひ体感して欲しい。

とても美しく心温まる物語だった。

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