犬のプライド?
そんな一存には愛犬がいた。名前は「シロ」だが、ただ単に白い犬だから「シロ」と名付けたのではない。孔子の愛弟子にちなんで「子路」と漢字表記している。しかし、犬自身は自らの名前の意味に対してあまりにも無頓着であった。
さて、久秀は一羽のインコを飼っていた。名前は
ある日、久秀がセイコーマートの北海道メロンソフトを買いに出かけたら、その隙に権左衛門は外に出てしまった。久秀は本来は「札幌楚漢戦争」とは無関係の人物である。それにも関わらず、同じく楚漢戦争とは無関係のハズのアーサー王が白石区で挙兵して、田氏三兄弟を厚別区に追い出して勝手に斉王を自称している。しかし、そのような事は北区某所にいる久秀にとってはどうでも良かった。エクター・ド・マリスが100トンハンマーを持ち出して襲いかかってこない限りは。
権左衛門は飛んでゆく。目指すは一存の屋敷である。そして、彼は一匹の白い犬を見た。
子路は侵入者にほえかかるが、鳥頭の権左衛門にとってはへのつっぱりはイランですよ、イラクじゃないです。権左衛門は白樺の木の枝に留まり、犬を見下ろす。
「お座り!」
権左衛門は叫ぶ。子路は条件反射で座る。
「あの鳥頭め、ちょっと飛べるくらいで生意気な」
子路は異種族への対抗意識を燃やし、立ち上がる。
「お座り!」
権左衛門は再び子路に命じる。子路は再び座っては立ち上がり、さらに権左衛門の声によって座らされる。誇り高き犬にとっては、あまりにも屈辱的な屈辱であった。
さて。
私、「信頼出来ない語り手」こと明智紫苑が昔観たテレビ番組で、犬とインコを飼っている家が紹介された。そのインコは飼い主の「お座り!」という言葉を習得しており、犬に「お座り!」と命じて座らせていた。
多分、犬は内心「ちょっと飛べたりしゃべったり出来るからって何だよ、偉そうに…」と不満だったのかもしれない、と、私は邪推した。まぁ、実際に犬自身がそこまで考えていたかは当然不明である。
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