美しく綴られる”蜜柑色”

 小さい頃からずっと、姉に喜んでもらいたい一心で絵を描いてきた美月。有名な画家や、専門学校の友人にも関心を持てず、先生からはパッションが足りないと言われていた彼女が、彼女の作品に向けられたとある手紙をきっかけに、創作への姿勢に変化を見せます。

 美月が姉に対して持っていた愛着、それから姉が美月を気にかける気持ちが、柔らかく美しい言葉で綴られていることが印象的でした。お互いをずっと無意識に支え合ってきた姉妹の間の優しさと、クリエイターとしての成長が重なる、そんな素敵な物語でした。

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