小分けにして明確にする
mission2 ほうれん草は切り刻め
日本の社会人教育に古くから根付く報連相という言葉、皆さんもご存じでしょう。
証券会社から始まったとされるこの取り組みは、ベストセラーになる程の反響があり、こうして日本の社会に根付いていきました。
報告、連絡、相談。
これを密に行う事により、仕事は円滑に回るのだ。という教えです。
間違ってはいませんが、これ、教え方がもの凄く間違っています。
皆さんも口酸っぱく言われた記憶はないでしょうか。
上司の皆さんもあるのではないでしょうか。
中間管理職の皆さんは、言われて言って、よく口にするのではないでしょうか。
ええ、全部間違っています。
では何が間違いなのか。
とても簡単なので、改めて考えてみてください。
報告と連絡と相談は、其々の重みが全く違うという事を、教えていないのです。
分かりますか?
報告と連絡と相談は、其々の重みが全く違う。
大事なので二回書きました。
物事には順序という物があります。
それを全部すっとばして、くるっと丸めて「報連相が大切だ」では、伝わらないのです。
そしてそう教えられた部下の皆さん。
教わった「報連相」を分解しましょう。
最も大切なのは言うまでもなく『報告』です。
これは必要不可欠な業務です。仕事を頼まれたり任されたりした以上、その途中経過や結果を報告するのは、それ自体が立派な業務です。
新入社員の皆さんや、初めて任される仕事に挑む人にとって最も大切なのは、途中経過の報告(確認)です。
ここまで進んだがこれで問題はないのか。
こうだと思うのだが、正解なのか。
あまり細かくやると煙たがられるかもしれませんが、これらの報告(確認)に煙たがらず対応するのが「上司になる才能」というものです(笑)
次に大切なのは連絡です。
これは結構意見が分かれるところで「じゃあ実際問題、連絡って何よ?」と議論になるのですが、著者の見解をお伝えします。
これは上記の『報告』に連動します。
口頭で確認した事項や、報告した事項を、しっかりと目に見える形で残して伝えているかどうか、という点です。
端的に言えばメールやメモ書きです。
お互い人間ですから、上手く伝わらなかったり、うっかり忘れてしまう事もあるでしょう。
口頭で伝えるのと同時に「念の為メールしておきます」と添えて下さい。
そうすると、今は忙しくて考える余裕が無かった報告に対して、後でゆっくり考えてアドバイスしてあげる事もできるわけです。
更には、妙な行き違いが発生して後で理不尽な怒られ方をする事も減るでしょう。
三つめが相談です。
これは何でもいいので、相談してみましょう。
最初は勿論、仕事の内容について相談するのが理想でしょうが、慣れてきたらプライベートの事も相談してみて下さい。
そんな事まで相談してもらえた上司は、そんな部下を可愛いと思うはず。そう思わないような上司は「上司になる才能」に欠けています。
円滑なコミュニケーションが取れる職場は、成果が上がりやすい環境にあります。
仕事をするのは人間であり、プログラミングにそって規律正しく動作するわけではありません。
早い話が、会話をしろ、という事です。
この『相談』こそが、人と人との距離を縮め、円滑なコミュニケーションに導くわけです。上司の人も、ここは意識したほうが宜しいでしょう。
さてさて、上記三つの事柄について解説しました。
報告(確認)
連絡
相談
世の中ではやれ報連相は不要だとか、古いとか、いやいや今の時代は「
そこら辺も知識として入れておくのはよろしいかと思いますが、問題は其々の使い方です。
重要性の違いを理解した上で、使う時にもそれを明確にしましょう。
ちょっと実例を。
業務報告をしようと思った若い社員が、上司に話しかけました。
部下「すいません、今ちょっといいですか?」
上司「ん? 急ぎ?」
であるとか。
部下「すいません、今ちょっといいですか?」
上司「ごめん、後にして」
とか。
部下「すいません、今ちょっといいですか?」
上司「いいよ~」(書類やPC画面を見ててこちらを見もしない)
こんな経験ありませんか?
これはやり方が間違っているのです。
ずばり言いましょう。
「業務報告があります。今よろしいですか?」
「連絡事項があります。今よろしいですか?」
「相談があるのですが、今よろしいですか?」
業務の報告であれば、その優先順位を上司が判断してくれるわけですから、報告が後になろうが今になろうが、その責任は上司にあります。
業務の連絡であれば、メールでやっといてほしいのか、いま口頭でいいのか、内容によってはそこら辺も上司が判断してくれます。
相談も同じですね。まさか恋愛相談を業務しながら片手間で聞く上司もいないでしょう(笑)
報連相は切り刻み、明確にして使う事。
部下として上手く立ち回るのに大切な事だと思います。
ぜひ実践してみて下さい。
次回は上司になる才能に戻ります。
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