硝子の様に繊細な、美しい想いや、 瞬間
- ★★★ Excellent!!!
それぞれの物語の中には、
別の世界に生きる人物たちが描かれています。
それは、時に間近な
現代の二人。
かと思うと、
もしかすると、近未来に生きる人たちかもしれない。
短編の中には、独自の世界が広がっています。
それでいて、共通する、
硝子の様に繊細な、美しい想いや、
瞬間が、閉じ込められている様です。
別々の人物を描きながら、
流れる、輝きは、
独特な世界観で、
どの短編にも、通じているものです。
緻密な知識から描き出される物語は
繊細で、通う人物の想いは、
触れると、消えてしまいそうに
美しいものです。
情報を得ると同時に、
物語に触れると、むしろ感情に触れます。
通い合い、相手を想う。
見返りを求めない、
純粋な想いに触れる気がします。
人物の信念や貫く主張が、
研ぎ澄まされて伝わって来ます。
近未来的な絶望の世界の中、
お茶漬けを前にする二人。
AIに込められた意味。
ヴァイオリンに宿る想い。
独特で心地良く切ない、
詩的な時間が流れるように思います。