硝子の様に繊細な、美しい想いや、 瞬間

それぞれの物語の中には、

別の世界に生きる人物たちが描かれています。

それは、時に間近な
現代の二人。

かと思うと、
もしかすると、近未来に生きる人たちかもしれない。

短編の中には、独自の世界が広がっています。

それでいて、共通する、
硝子の様に繊細な、美しい想いや、
瞬間が、閉じ込められている様です。


別々の人物を描きながら、
流れる、輝きは、
独特な世界観で、
どの短編にも、通じているものです。


緻密な知識から描き出される物語は
繊細で、通う人物の想いは、
触れると、消えてしまいそうに
美しいものです。

情報を得ると同時に、
物語に触れると、むしろ感情に触れます。

通い合い、相手を想う。

見返りを求めない、
純粋な想いに触れる気がします。

人物の信念や貫く主張が、
研ぎ澄まされて伝わって来ます。

近未来的な絶望の世界の中、
お茶漬けを前にする二人。

AIに込められた意味。

ヴァイオリンに宿る想い。


独特で心地良く切ない、
詩的な時間が流れるように思います。