ハイコントラスト

二人は、出会う前から同じ空間を共にしていた。
高校入学という機会に恵まれ、同級生の誰もが期待と不安に胸を躍らせていた、春。
相手の中身を知ることに少しずつ喜びを覚えると同時に、同じ分だけの嫌味を募らせていく、曖昧な時期。そんな、危うくも華々しい時期を、彼女たちもそれなりに楽しく過ごしていた。

一人は、規律の緩さを理由に髪を染め、この為と言わんばかりに白さと程よい肉付きを保った脚を晒し、甘い顔に似合う可愛らしい態度で男女の気を引いた。

もう一人は、どこか大人びた雰囲気を漂わせ、ざわめく教室の一角に安らぎを与えるような、落ち着いた空気を常に保つように、ひっそりと、静かにクラスに馴染んでいた。

これは、そんな二人が出逢い、互いの違いを強く意識するがために惹かれ合う、そんな危うい少女たちの物語…続きを読む