因縁の対決と決着。

「なんで、」

僕はティルがこんなところにいるとは考えもしなかった。

どうしてここに僕がいることが分かったのか不思議だったが、よくよく考えてみれば分かることだった。

そう、あの時から彼は静かだった。

つまりウルズが後をつけてきたのだろうと思った。

そしてここで役者が揃った。


この状況で最初に動いたのはクルジュだった。

ものすごい殺気をまといティルに刃を向けた。

僕はすぐさま前に割り込み止める。

だがクルジュは無反応、ティルも少し怯えていた。

クルジュの以来の中にはティルの一族を滅ぼすことも1つだった。きっとそれが理由だろう。

正直ティルは僕の好きな人だから守りたい、だがクルジュに立ち向かえば自分がやられるだけ。

どうしたらいいんだろう、と僕は悩み決断した。

やはり惚れた女は最後まで守るのが男って生き物だと。

だから僕は短剣をクルジュに向けた。


ここから僕とクルジュはコンビを辞め敵対した。


僕はすぐさま切りかかる。

クルジュは斬撃を受け止めるとすぐさまカウンターを仕掛ける。

僕は体制を立て直し探検を構え直す。

お互い一歩も譲らぬ攻防でまったく勝負がつかなかった。

だが開始から1時間程経つとお互いに疲れが見えてきた。それから気を抜いたのはクルジュだった。

僕はその隙を見逃さず、ひたすら猛攻をする。

すると刃は両者の胸に刺さった。

「これでお前も終わりだ。」

僕の方がリーチが短い為に深く刺したのはクルジュ。

だが確実に心臓に近い方を刺したのは僕だった。

互いを認め、互いに敵対する。

これは僕と彼の因縁なのかもしれない、運命なのかもしれない。


僕は疲れその場に倒れた。

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