第6話過去の過ち

僕は今アスタリシアから10km程離れた所にある、建物などが半壊している街へ来ていた。

僕よりも幼い少年に助けられ、更にティルの事を女王様なんて呼んでいた。

僕にはまだ知らない何かがあるのだろう、彼女の家族には。でなければ命を狙われる理由もない。


あれから僕とティルはふかふかのベット、豪華な食事、居心地の良い王宮ととても豪勢な生活をおくっていた。

そしてあの少年から色々な話があった。

「ルークさん、あなたにはお世話になったそうでどうもありがとうございます。」

少年は律儀にお礼をし、細かく説明してくれた。


ティルの家族は昔この街の王族だったそうだ。

そして彼はその親衛隊の様なもので、王族が無き今はティル達を探していたそうだ。

「私はウルズと申します!そしてこちらがティル様のひつじのロウです!」

僕は彼らにガルディが死んだことを話すと分かっていたかのようにただ頷くだけだった。

そしてウルズはティルが狙われている理由を教えてくれた。

ティルの一族は、王として国を治めていた当時1人の罪人を処刑したらしく、その処刑人があのアスタリシアに住まわる盗賊の頭だった。

その盗賊は復讐屋を雇い一族を狙っているらしい。

これで全ての謎が解けた、別に彼女がいけない事をした訳では無かった事に嬉しさを感じた。


僕はティルの元へ行き、彼女に思いを告げようとした。

好きだと、これから先隣にいてほしいと。

しかしそうはいかなかった。

ガルディを殺した男が王宮内に侵入していたそうだ。

僕には僕のやる事がある、ティルの事よりも先にやる事があるじゃないか。

そう、僕自身の過去の世界での生活とか気になることが沢山ある。

「確かめなきゃ、いやその前にアイツをティルに会わせるわけにはいかない!」

右手にぎゅっと剣を持ち颯爽とその場を去り、復讐屋に剣を振りかざした。

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