第4話 運命とは切れないもの
彼女はもうこの街にいなかった。それが分かったのはあの雨の夜から1週間ほど経ってからだった。
あれから僕は、ティルの家に行き倒れていたガルディを土に埋め花を手向けた。
そう、死んでいたのだ。
何故アイツは、僕以外の人を殺したのか不思議でならなかった。
そして僕は、日が出ている間は街を歩きティルの行方を探した。
「彼女、ショックだっただろうな....」僕は罪悪感におそわれた。途中で胸がギュッと締め付けられるように痛く泣き出してしまう時もあった。
それでも彼女を見つけ話をしたい、そう思い懸命に探した。
しかし彼女の情報は無く、僕はこの街を去った。
街を出ると大きな密林が広がっていた。
ティルは無事だろうかと頭の中で不安がよぎる。
次第に夜になり睡眠をとることにした。
街を出る前にティルの家からマッチ、携帯食料、ランプ、ナイフを持ち出していた。その為夜はマッチで近くの木材に火をつけ寒さをしのいだ。
すると木の影からガサガサ音がした。
「なんだ?獣か?」
僕は開いた口が塞がらなかった。
「ティルッ!!」
彼女は窶れていた。
頬、膝、足、体の至る所に傷を負っていた。
すると一言。
「.....助けてっ....」
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