第3話僕の過ち

彼はこちらを睨み口を開いた。

「お前も運がいい。」

僕はぞっとした。なんだか以前この男に会った気がした。いや、きっと会っているのだろう。

ティルは目の前で親が倒れているを見て泣き出してしまった。

「お前は誰だ!?なんでガルディを!!!」

僕は怒りがこみ上げ彼を殴りそうだった。

でも冷静になり、考えた。

するとこれまでバラバラだった線と線が繋がり全てが一つになった。

きっと彼は僕を撃ち海へ落としたんだろう。

でも何故僕は殺されかけたんだろう。

「不思議そうな顔だな。忘れてしまったのなら全部思い出させてやる。」

彼は僕の考えが読めていた。そして過去のこと全部を話してくれた。

どうやら僕は前にいた世界で人を殺したらしい。首を切り落としたり心臓をえぐったり、要するに殺人鬼だったそうだ。

なにがなんだか分からなかった。なぜ僕が殺されるのか。

「俺は復讐屋って言う殺し屋みたいな者だ。依頼人は言えないがお前を殺せと言われた、しかも数えきれない人数だった。」

きっとそれを依頼したのは僕が殺したという人の親族か友達などだろう。

でも死にたくない....ティルがいる、守らなきゃ。

僕はティルと逃げた。復讐屋の男から走って逃げた。ティルはまだ泣いている。

「はなしてっ!...いや、人殺し.....人殺し!!!」

彼女は僕の手を振り払い何処かへ行ってしまった。僕は彼女を追いかける。

後ろを振り向くと復讐屋の男の姿は無かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る