第2話引き寄せられる運命
ティルに助けられたその日、僕は彼女に案内され街を歩いた。彼女はどこか嬉しそうだった。
僕も少し照れる。別に神様がいるとか天国や地獄があるとか信じている訳では無いが彼女とはなにかの運命を感じた。
「ここはアスタリシアって街なの!それであそこが教会で〜....あっ!あれが私の家だよ!」
倒れていた沖から歩いてほんの10分くらいの所に彼女の家があった。そこまで大きくはないが立派な家だ。
「お、お邪魔しますっ!!」
僕は少し緊張した。あとは何故か懐かしさがあった。
中ではお父さんと思われる男性がコーヒーを飲みながらくつろいでいた。外見は薄らヒゲが生えていて身長は175cmくらい、声は高くも小さくもない。やせ型のいいお父さんだ。職業は漁師らしい。
「おっティル!お客さんかぃ?」
「初めまして、ルークと言います。」
僕は自己紹介をすると、ティルのお父さんはとても歓迎してくれた。名をガルディ。
それから僕はこの家に住まわせてもらうことになった。彼女らは行く宛のない僕を居候させてくれると言った。とても有難かった。ご飯も食べさせてくれるし寝所も貸してくれる、風呂にも入れるし仕事の手伝いをすればお金もくれる。
「あぁ、なんていい家族なんだろう。」
僕は嬉しさのあまり自分が何をすべきか忘れていた。
それから5日後の事。
雨が降っていて近いところでは雷がなっていた。
昼間は船に乗りガルディの仕事を手伝う。今日は魚がいなかったのかいつもより収穫が少なかった。
「さぁ!今日はもう家に帰って飯にしようか!」
気づくともう夕方だった。
今日は僕自身、そこまで動いてなかったのだが体が重くご飯を食べたらすぐ寝てしまった。
そして、僕の人生が少し変わったあの夜。
未だ雨は止まずこの街にちょうど雷雲が到達していた。
なにかの騒音で僕は起きてしまった。
「ドンッ!」
リビングが騒がしいと思い僕はドアを開けそっと覗き見た。
「やはり生きていたかルーク。いや、 カズヤ。」
ティルと僕は唖然だった。
そこにはピストルを持つ1人の男と倒れているガルディの姿があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます