インディーズの窓

　絵画や映画、音楽に文学。
　メジャーが存在する芸術には必ずマイナーが存在する。あるいはインディーズとでも言おうか。公式という表舞台の外に広がる、その果てさえも見えない作品群に好んで向き合おうとする人々は大抵、オタクやマニア、ギークなどと呼ばれ奇人扱いされる。
　しかし考えてみればおかしな話で、芸術とはそもそも曖昧で不定形なものであり、同じ表現物を鑑賞しても同じ印象を覚える可能性の方が低い。芸術とは多分に表現者あるいは表現物と鑑賞者との関係性に寄る部分が大きく、そこに先鋭化の気配はあっても、一般化・大衆化のきらいはない。
元来、マイナーな活動なのである。芸術を効率的に大量生産して広く流通させ、たくさんの人間がそれに触れて皆で涙を流す、膝を打つ、笑う、叫ぶ、踊り狂う。なんていうのは、はっきり言…続きを読む