新撰組、料理、恋ごころ…… 三つのテーマが巧みに溶け合っていて、文字数以上の読みごたえを感じる短篇でした。
北海道で小説を書いています。商業作品は「眠り王子と幻書の乙女」「ワンド オブ フォーチュン」「ブラッド・ナイト・ノワール」など。カクヨムでは現代が舞台の青春も…
動乱期の京都とは対照的に静謐な雰囲気、堅実でしっとりとした筆致により、花乃や沖田の表情や立ち居が鮮やかに読者の眼に映ります。「いけず」。何とも奥行のある言葉ですね。たった3文字の言葉のなかに、花乃…続きを読む
体からも心からも血を流し弱っていく、新月に向かう月のような沖田と、春から初夏の陽(意外と強い)のような少女の対比が鮮やか。唇や指先などわかりやすいところから出血をする少女の秘めやかなエロスがそこだけ…続きを読む
新撰組の最前線から退かざるを得なかった頃の剣の達人、沖田宗司と、その身を案じるひとりの京女の織りなす「美味しい話」です。病魔すら意に介さずに、ひょうひょうとやつれていく沖田と、やきもきしながらそ…続きを読む
新撰組の沖田総司と言えば、その剣の腕と後年病に倒れたことは有名な話だ。この方の作品を拝見するといつも思うのだが、何かしら透明な、痛いほどの静けさが今作にも漂っている。この作品は、病床に在る沖田と…続きを読む
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