故人が主役となる舞台で残された人々は語り、泣き、想いに耽る

火葬場という厳粛とした雰囲気、そして故人を送り出す最後の舞台で繰り広げられるストーリー。人の死と直接向き合う場でもある火葬場を敢えて題材に選んだことに驚きを覚え、また重苦しさや鬱屈さを感じさせないストーリー展開に二重の驚きを覚えました。
悲しみはあれど個人の為人に感動を見出したり、懐古の念が沸いたりと呼んでみると不思議と優しい気持ちに満たされていきます。
人間の生き死にを忌避しがちな人も居るでしょうが、そういう人にこそ読んでほしいと思える素晴らしい作品です。

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