もともと彩度の低い夜桜の色は、彼らの思考を通して高い彩度に塗り上げられていた頃があっただけに、本来の彩度を通り越して限りなく無彩色に近づいていく感覚の様子をここまで再現するか、と唸らされた作品。
【書籍化作品】 ・『いちいち癇に障るんですけどっ!』KADOKAWAビーズログ文庫 https://kakuyomu.jp/publication/entry…
桜が嫌いというのは本心なのか、あるいは一層好ましいからこそ嫌いと語らせたのか。かつての鋭さ瑞々しさを失った男と、実直に今を生きる女。根を張った想いを断ち切るのは、ひどく痛ましい。桜への思いと彼…続きを読む
暖かい花の季節に咲いた一つの恋が、同じ季節を巡り、次第に変化していく。それを辿った物語の構成が、二人の関係の変化を強く映し出しています。時を重ねるごとに翳り彩度を落としていく彼女の心が、鮮やか…続きを読む
切り捨てたいと思っても、切り捨てられないくらいに深く長く関わってしまった。そんな相手に対して、辛いと思ってやっぱり逃げ出すのか、真正面から立ち向かうのか。 楽しいだけの恋の時間は過ぎ去って、お互…続きを読む
人は自分が見ようと思った時に、初めてそれが見えるようになる生き物なのかもしれない。しかしそれがまた、このお話では切ない笑。彼女の方は、甘い日々では有り続けたのかな? という気はしています。甘…続きを読む
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